Ich verliebte mich in Sie.

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番外編◆オレが捨てる決意をした日

この国に、女児が生まれなくなって数年。
まさか自分の5人目の子に、女児が生まれるなんて思っても見なかった。



オレが捨てる決意をした日






この国の状況は思わしくない。
そんなことは、この国に住む成人は皆、わかっていることだ。
次にいつ女児が生まれるかもわからない。
そんな変な国に女性移住者は警戒してか、やってこない。
そんなとき、娘が生まれた。
数年ぶりの女児。周りは沸き立つ。
やっとこの呪われた状況から開放される。
そう思っていた国民たちの想いは簡単に砕け散った。
娘が生まれて五年がたった。
あれ以来女児は生まれず、男児ばかり生まれ続けている。
以前のナルル王国では起こりえない事が起こってもおかしくはない。
この国は、独身男性があふれている。
移住する者もいるが、少数だ。
オレが危惧しているのは娘のこと。
この国唯一の未婚の女性。
成人する日が近づいている。
周りは好奇な目で、中には色目で見ている輩もいる。
娘が生まれたとき、オレもライサも喜んだ。
もちろん先に生まれた四人の息子たちも。
あのときはこうなることなど考えもしなかった。
一度危ないこともあったが、偶然陛下が通りかかったことで事なきを得た。

「陛下」
「来たな、リベラル」

ある晩、オレは陛下に嘆きの崖へよ呼び出された。
何故かは、薄々予想はついたけど。

「陛下…」
「今だけは、昔のように名前で呼んでくれ、リベラル」
「…ネビル」
「なぁ、リベラル。今後、この国はどうなっていくんだろうな」

陛下、いや。ネビルは月を眺めてつぶやいた。
この男性ばかり増えていくこの国の行く末を憂いて。

「この国は息子の代で終わる。いや、俺の代で終わらせた方がいいのかもしれない」
「ネビル…まだ終わると決まったわけじゃ…」
「息子に辛い思いはさせたくないんだ。俺も親だからな」

笑ってはいるが、オレは見逃さない。
悲しみを必死に隠そうとしている表情を。
 

オレは誓ったんだ。
“将来この国を背負って立つネビル君の親友として、いつか僕が彼を助けるんだ”
その為なら、オレは…。


「ネビル。娘が成人したら、王太子妃に、迎えさせてやってくれ」
「なっ、何を言ってるのかわかっているのか!?」
「わかってるさ。だけど、頼む」
「!」

オレは、ネビルの前にひざを付き頭を下げた。

「顔を上げろ、あげてくれ…」
「ネビル、オレは」
「わかってる。お前が本気だって事くらい…わかってるさ」

ネビルはオレの肩を力強くつかんで顔を上げさせた。彼の肩が震えている。

「国のことを考えるなら…こうするべきなんだ。でも、お前はオレの親友だ。
 それに、子供たちにも心はある。だから、だからこそ…」
「……」
「お前にその言葉だけは、言わせたくなかった…」
「あの娘のためだ」
 
 
そう、オレは娘とネビルの為なら、捨ててやるさ。
オレのちっぽけなプライドも意地もすべて…。


  オレが捨てる決意をした日

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