Ich verliebte mich in Sie.

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最終話 至宝


学生時代なんてあっという間だった。
最後の一年はネビル君…いや、ネビル殿下もいなかったし。
だから、ずっと密かに訓練を続けていた。



至宝





僕は強くなる。そう心に決めた。
だから、もう自分のことを「僕」というのは止めた。
オレは強くなって、ネビルの横に立っても恥ずかしくない、騎士になる。
婆さんが、誇れるような孫になる。
そのためにはまずは技を伝授してもらわないといけない。
とにかく国中を走り回った。
成人してからはずっと訓練漬けの毎日。
そんなある日のことだった。
婆さんが危篤だって知らせが来た。

「婆さん、見舞いに来た」
「あら、リベラル君。ありがとう」

急いで駆けつけたら、婆さんはベッドに横になっていた。
まだ、誰も来ていないみたいだ。
誰もいないこの家に婆さんは一人きり。
静かで、すごく寂しい。

「具合どうだ?」
「もう、ダメでしょうね」
「そんなっ!」
「いいのよ。わざわざ、来てくれてありがとうね」

少しやつれた、でも笑顔でオレを見つめる婆さん。
いつも、一緒に居てくれたのに、もうすぐ会えなくなってしまう。

「訓練…頑張っているみたいね」
「あぁ…オレ、騎士になるんだ」
「…リベラルくんなら大丈夫。おばあちゃん応援しているわ」
「うん…」

「夢をね…」
「夢?」
「そう。懐かしい夢を見たの」

「あの人は今、何をしているのかしら」

211年6日。
眠るようにして逝った婆さんは、幸せそうに微笑んでいた。
オレは婆さんに誓う。
絶対、何がなんでも、絶対。
オレは騎士になるよ。
そうして、この国でオレを蔑んできた連中を見返してやる。


***

「リベラルくん、勝利おめでとう」
「ライサ、ありがとう」
「これでアナタは龍騎士ね」

婆さんがなくなった翌年、オレはシルフィスティルグ入りした。
そして215年。DD杯最年少記録を出して、バグウェルに勝った。




父さんはティルグ入りを皮切りに、龍騎士、白騎士になる。
そして騎士団をリーグ優勝に導いていった。
母さんの手紙によると、騎士団を引退後ロークエルグでエルグ長になって、
後に王国の至宝と呼ばれるようになったらしい。



なぁ、婆さん…。
アヤノおばあちゃん。

「僕はおばあちゃんが誇れるような人間になれたかな?」
「リベラルくん、何か言った?」
「なんでもないよ」

『よくがんばったわね』
そっと風が吹いて、おばあちゃんの声が聞こえたような気がした。



―――貴女に捧げる鎮魂歌―――




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