Ich verliebte mich in Sie.

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第八話 隣に

 気がついたら、自分の家のベッドに寝ていた。
 昨日はどうやって帰ってきたんだっけ?
 記憶をたどって私はただただ、顔を真っ赤にした。



隣に





昨日は、バスの浜で泣いていたら、ガルデルさんに会って、抱きしめられて。
…好きだって言われて。それで…。

「っ!」

ダメだ、思い出したら恥ずかしくなってきた。慌てて頭を振る。
結局あの後恥ずかしくて、ガルデルさんを置き去りにして帰っちゃったんだけど。
こんな顔じゃ仕事なんてできない。というかロカールに詰め寄られる。
今はまだ、私の中にだけ、とっておきたい。
そもそもガルデルさんとも、どういう顔して会ったらいいのか分からない。
悶々としてしまった私は朝ごはんを食べて、結局この日はエルグには行かず、
ティルグでひたすら剣を振って、精神集中することにした。
シーラル港でロカールに会ったけど、今日はティルグに行くと一言だけ、
それも一方的に言い放っただけで別れた。



僕にしては珍しく、昨日はつい感情的になってしまった。
いつも完璧でやさしく、笑顔で居ることを求められて生きてきた。
だからそう努力してきたつもりだ。それなのに…。
あぁそうか。本当、重症だな。
あの時泣いていた背中…いやあの子そのものが小さく見えた。
このままにしておいたら、そのまま小さくなって消えてしまうんじゃないかと思ったら、
いてもたってもいられなくなった。本当に、らしくないな。
顔を真っ赤にしたあの時のキミ。

「ふふ、可愛いかったな」

けど、良かったのかな。
異性に免疫のないキミ。ただその場の雰囲気に流されたんじゃないのかな?
世の中には“愛のない結婚”を考える子だっているくらいだし。
…やめよう。

「くだらない。仕事に行こう」

僕は考えることを止めて仕事に向かった。



一日ティルグで汗を流したら、悶々としていた心は晴れたし、
なんだかすっきりした気分だった。
…一度ちゃんと話をしたほうがいいよね。逃げずにちゃんと向き合わなきゃ。
考えることもやることもいっぱいあるけど、少しずつ片付けていこう。

「あせらなくても、いいよね」

明日は休日だし、今からちょっと訪ねて…。
ダメだ、私今汗臭いし。とりあえずリコ温泉行こう。
リコ温泉から帰るときには日は落ち暗くなっていた。
訪ねるには非常識な時間だし、今日は止めておこう。
それでも近道して帰る気にもなれなくて、東公園前を通って行く事にした。
本当に何となく、特に理由もなく、東公園へと入った。

「…あ」

東公園には、会えたらいいな、なんて思っていた相手が立っていた。
私は一度深呼吸をして、声をかけようとしたけれど、それどころではなくなった。

「っガルデルさん!?」

急にしゃがみこんだガルデルさんにびっくりして私は駆け寄った。
口元を押さえているガルデルさんに駆け寄って隣にしゃがみこんだ。

「ガルデルさんっ大丈夫ですか?はっ吐きそうですか?」

駆け寄った私を突き放してガルデルさんは草陰で、もどしたみたいだった。

「…大丈夫ですか?」
「っごめん、大丈夫だから」

そう言って私を近づけようとしない彼を無視して、
私はガルデルさんの横に行き、背をさすった。
他になすすべもなく、たださすることしかできなかった。


ひとまず落ち着いたガルデルさんだったけど、
やっぱり心配だったから、家まで肩をかした。
ベッドまで連れて行くと、ただ「ごめん」とだけ言って眠りに落ちたようだった。
このあと私はどうしたらいいんだろう?
帰ればいいんだろうけど、体調の悪そうなガルデルさんを一人にはできなかった。
…一人にしたくなかった。
だから、今夜は彼のそばにいようと思った。
彼が酔ってつぶれた私を介抱してくれたように。
寝ているガルデルさんの額に手を当ててみた。

「熱は、ないみたい」

ひとまずホッとしたら私にも眠気が襲ってきた。
気がついたときには、ガルデルさんの寝ているベッドに頭を乗せて寝ていた。

「…っ――…」

ふと、何かが聞こえた気がして、目が覚めた。
なんだろうか、と思ったらガルデルさんがうなされていた。

「…ぃで……ぃか…ないで…」
「ガルデルさん、大丈夫。どこにも行きません。ここにいます」

ガルデルさんの手を握って、やさしく頭を撫でる。
何度も、何度も。ガルデルさんが落ち着くまで、ずっと。

「…パー…シス…」
「っ!」

ねぇ、ガルデルさん。
きっとアナタにも何か辛い過去があるんでしょうね。
こうしてうなされているくらいだもの。
私なんかよりずっと辛かったのかもしれない。
それが何なのか、私は知らないけれど、聞いたりもしないわ。
アナタが話したくないのなら私は聞かない。
辛いときはそばに居させて。突き放したりしないで。
そばに、居てくれるのでしょう?


「私も、アナタのそばに居るから」

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