Ich verliebte mich in Sie.

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第四話 一人暮らしのアナタに

 不覚…不覚不覚不覚!!!
 やってしまった…。
 …そう、あれはすべてお酒のせい!そうに決まってる。



一人暮らしのアナタに





目が覚めたら、私は見知らぬ家のベッドで寝ていた。
あまりの事態に驚いて起き上がろうとするも、ひどい頭痛が私を襲った。

「ったぁ…」

起き上がることに失敗した私は、痛む頭を押さえながら周りを観察する。
昨日は確かロカールと出かけて…光の川辺で訓練して…。

「…あぁー。うん、そう、そうだった」

昨夜光の川辺でハーシェルさんに会って、
お酒に付き合わないかっていうから一緒に飲んで…そのままつぶれた。
そりゃそうだ。

「お酒なんてはじめて飲んだ…」
「おや、起きたかい?おはよう」
「あ…おはよう、ございます…」

私の様子を見に来たハーシェルさんは、
私が起きていることに気がつくと、さわやかな笑顔を向けてきた。
…昨夜はハーシェルさんもそこそこ飲んでた気がするんだけど、何この違い。
慣れ?慣れなの?

「二日酔い、かな?さ、お水飲んで。起きられる?」

頭を押さえていた私にハーシェルさんはコップに入った水を差し出してきた。
まるで私が二日酔いになるって分かっていたかのように。
よろよろと起き上がってお水の入ったコップを受け取るとゆっくりと飲み干した。
私が飲み干したコップを受け取ると彼は苦笑した。

「その様子だと、今日は寝ていた方がいいかもしれないね。
 今動くのは辛いだろうからそのまま寝ているといい。
 僕は仕事に行ってくるけど夕方には帰ってくるからその時は家まで送るよ」
「で、でもご迷惑…」
「いいんだ。いいよ、居て。迷惑だなんて考えなくていい。
 飲もうと誘ったのは僕だし、僕が居ていいと言っているのだから迷惑なんかじゃないしね。
 …それに、辛いときは甘えていいんだ。いいんだよ」

再びベッドに横になった私の頭を撫でる大きな手が温かくて心地よかった。
一定のリズムで撫でられていると、眠くなってきた。
意識が途切れる直前、あの人の優しい微笑みが見えたような気がした。



次に目が覚めたとき、日は少し傾きかかっていた。
頭はすっきりしている。どうやら二日酔いから回復したようだ。
すっきりしたら、ぐぅっと私のお腹が鳴った。
寝室から出ると、テーブルの上に一枚のメモを見つけた。


“おはよう、リアベルちゃん。
 おなべの中にキノコスープがあるから温めて食べて。
 夕方には帰ります。
                       ガルデル“

綺麗な字だった。
…この際とことんお世話になってしまおう。
開き直った私はおなべの中のスープを温めた。
温まったキノコスープは美味しかった。
そういえば昨夜はどんな話をしたっけ。
思い返せばひたすら私がグチっていただけな気がしてきた。



今日は仕事を少し早めに切り上げて家路についた。
昨夜お酒を飲んだ彼女は一杯で顔を真っ赤にしていた。
泣き上戸なのか、気持ちが高ぶっていたのか。
たぶん後者だと思うけれど、酔った彼女は泣きながら故郷の話をする。
話を聞いて驚いた。だからこそ、先日の“あの言葉”に納得した。
小さな体に大きなプレッシャー。王族と同等いや、ある意味それ以上の重荷だっただろう。
家族を捨ててまで国を飛び出してきた、一人ぼっちの小さな女の子。
支えてあげたいと思った。
けれどそれと同時に、彼女を自分のものにしたいという欲も沸いてきた。
どうしたものか。苦笑しながら、僕は家路を急ぐ。


 
体調も良いし一人で帰れそうだけど、どうしよう。
使った食器を洗いながらこの後のことを考えた。
もう夕方だし、そろそろハーシェルさん帰ってきそう。
夕方には帰ってくるってメモにもあったし、
今朝方もそう言っていたような気がするし、
ここで勝手に帰っちゃうのは人としていかがなものかと思うし。
食器を片付け終わった私は椅子に座って、テーブルに頬杖をついて彼の帰りを待った。
こうしていると、兄たちの帰りを待っていたときみたいだ。
昨夜、胸の中にあったモヤモヤを吐き出したおかげか、
故郷のことを思い出してもそんなに辛くなくなった。

「ハーシェルさんに感謝…かな」

お礼に夕飯でも作ってみようかな、なんて思ったけど、
さすがに勝手に棚をあけるわけにはいかないと思い直した。
夕飯が無理なら、そうだなぁ。
彼も移住者で一人暮らしだし、アレが良いかもしれない。
驚くかな?そんなことを考えながら、彼が帰ってくるのを待っていた。



 「おかえりなさい」

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