Ich verliebte mich in Sie.

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第一話 私が捨てる決意をした日


プレイ日記は追いついていませんが4代目PCリアベルの小説です。





 小さい頃から嫌だった。
 周りは男の子ばかりで、年の近い女の子なんて一人もいなかった。
 少し前からこの国に生まれてくる子供は男の子ばかりらしい。
 そんな中、私は久しぶりに生まれた唯一の女の子だった。
 周りの大人たちは、勝手な噂話ばかり。
 私が誰を好きだとか、誰と結婚するだとか。
 両親のことも、4人の兄たちも私は大好きだった。
 大好きだった…けど。
 きっかけは成人の儀の前日、父の放った言葉だった。



私が捨てる決意をした日



「リアベル。大事な話がある。そこに座りなさい」

いつになく父さんの真剣な表情に私は少しだけ嫌な予感がした。
私のこういうときの勘は当たるから嫌だ。
父さんの隣には少しだけ悲しそうな顔をした母さんが座っている。

「話って何?父さん、母さん」

両親の向かい側に座って、話を促す。…おおよその見当はついているけれど。

「もうすぐ、成人だな。早いものだ。お前が生まれてからもうすぐ6年か」
「そうね。リアベルちゃんが生まれた日のこと、今でも昨日の事のように思い出せるわ」

分かってる。そう言って私が情に流されて、
今からする『大事な話』とやらに「うん」とうなずけばいいと思っているんだ。

「この国の状況を…お前も理解しているな?」

そう切り出した父さんの表情からは感情は読み取れない。
長年ティルグで活躍して、竜騎士にまでなったことのある人だし。
逆に隣に座っている母さんは感情が表に出やすい。
年をとってからは尚更読みやすくなったと思う。

「理解はしているわ。年頃の女の子が私しかいない…でしょう?」

理解と受け入れることは別だけど。

「それなら、話は早いな。リアベル、成人したら王太子の元へ嫁ぎなさい」
「!?」

『結婚の話』だとは思っていたけどまさか相手が王太子だなんて思ってもみなかった。
いや、頭の隅では可能性も零ではないと思っていた。王族の血が途絶えれば国が終わる。
「王族に平民の血が…」なんていうのは今この状況では言い訳にならない。
そして薄れているとはいえ、私にも王族の血が流れていることも知ってる。
言い逃れはできない…。でも、私は…。

「父さん、母さん。私は嫁ぐつもりないわ」
「リアベルちゃん…」

昔から私にとって父さんは憧れの人であり、目標だった。
“竜騎士”の称号を手に入れた父さん。カッコイイと思った。
私もいつか父さんと同じ舞台に立ちたい。
そう思って今日まで生きてきたのに、国の危機だから王太子に嫁げだなんて…。
王族入りすれば、ティルグ入隊が叶わなくなる。そんなの、絶対に嫌。

「私には私の夢があるの。夢を叶えるまで結婚はしない」
「リアベル!いい加減にしなさい」
「嫌なものは嫌なのよ!父さんや母さんには今日まで育ててもらった恩があるけど、
 私の人生は私のものよ!誰にも決めさせやしないわ!」

勢いよく立ち上がると、椅子の倒れる音がしたが、今は椅子にかまっている暇はない。

「昔ならそれで良かった。けれど、今はそういうわけにはいかないことをちゃんと受け入れなさい!
 とにかくお前は成人したら王族入りするんだ。これはもう決まったことだからな」

それだけ言うと、父さんは寝室に行ってしまった。
本当なら大好きな家族のために、嫁ぐべきなのかもしれない。
私が拒否することによって、家族には迷惑をかけてしまう。
嫌だ…。どっちも、嫌だ。

「リアベルちゃん」

今まで黙っていた母さんが私をやさしく抱きしめた。母さんはいつも温かい。
瞳にたまった涙が次から次へと溢れて止まらない。

「母さん…私、やだよ…。やだ…」
「リアベルちゃん、いいのよ。貴女はあなたの人生を生きなさい。
 貴女の幸せが母さんや兄さん達、そして父さんの幸せなのよ」

翌日、鏡を見たら泣きすぎて少し目が腫れていた。
今朝は父さんと一言も話さないまま、私と母さん以外は花のアトリウムへ出かけていった。

「母さん、私決めたわ。この国を出る。
 皆にはどうやったって迷惑がかかるから…私はこの国を出て行くわ。
 私の夢を叶えるために、私の幸せのために」
「そう、やっぱり行くのね」
「…うん。止めないんだね」

昨夜ずっと考えて決めたこと。母さんにだけは言っておきたかった。
“私の人生を生きなさい”と言ってくれた母さんだから。

「体には気をつけるのよ」
「ありがとう。母さんたちもね」
 また、泣きそうになった。だけど今泣いちゃダメ。必死になって涙をこらえた。
「いってらっしゃい」
「いってきます」

たぶんもう帰らないけれど…。



昨夜のうちにまとめた少しの荷物を持って港へ向かった。
成人の義には出ない。出れば大人たちに捕まるし、移住船には間に合わないから。
 
ばいばい。
大好きな家族、大好きな国。
私は私の夢を叶える為に。

家族を、故郷を捨てる決意をした日、私は移住船に乗り込んだ。
私の人生を生きる為に。

私が最愛の人と出会うのは、もう少しだけ先の話。


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